うちの猫は「にゃぁ」と鳴かない
第1章 ①猫なんていない人生だった
動物を飼うなんて、これまでの私の人生ではありえないことだった。
母は潔癖症で動物を飼うなんて許してくれなかったし、考えてみると、私自身も幼いころから動物が苦手。
動物園で檻のなかの動物を見るのは好きだったけれど、「ふれあい広場」で抱っこをするのはおろか、そこに足を踏み入れることすらできなかった。
理由はわからない。
ただ随分昔から、脳内には動物=噛むものという式があって、その恐怖はいつまでも私を動物から遠ざけ続けた。
そんな動物と縁遠い状況は、ここ5年でガラリと変わることになる。
祖父と父を立て続けに亡くし、無駄にだだっ広い実家(仄暗い穴の底から:https://monogatary.com/story…
もくじ (3章)
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