完結

金魚は愛を知らない

恋愛

更新日:2020年10月27日

金魚は愛を知らない

第1章 ヘイ、タクシー。

 鼻の奥がツーンとする。わさびを塗りたくったお寿司を食べたみたい。サーモンのように脂の多いネタだったら辛さも中和されたんだろうけど、あたしの心は油不足でギシギシ音を立てている。それでもって視界はゴーグルの中に水が入ったようにうるうるとぼやけて、少し先にある信号機の赤色が金魚みたい。
 まさかこんなことになるなんて思ってもみなかったと言いたいところだけど、この結果は付き合い始めたときから、いやもっと言えば付き合う前から安易に想像できていた未来だった。
 裸足の足の裏から混凝土の硬さがダイレクトに伝わってくる。何にも考えずに家を飛び出してきちゃったもんだから、夜だというのにカーディガンも羽織らずよれよれの…

もくじ (4章)

  • 第1章 ヘイ、タクシー。 第1章 ヘイ、タクシー。

    第1章 ヘイ、タクシー。

    2020年10月27日

  • 第2章 金魚の箱 第2章 金魚の箱

    第2章 金魚の箱

    2020年10月27日

  • 第3章 満月を肴に 第3章 満月を肴に

    第3章 満月を肴に

    2020年10月27日

  • 第4章 どうかあたしにモルヒネを 第4章 どうかあたしにモルヒネを

    第4章 どうかあたしにモルヒネを

    2020年10月27日

作品情報

「キスも、ハグも、セックスもしたくないけれど、それでもあなたを愛してる。」
相手の時間を奪ってしまうようで気が引けて、こちらからは電話の一本もかけられないほど不器用で臆病な大学生ミケ。今まで私が生みだしてきたキャラクターの中で、いちばん人間くさいです、ミケちゃん。大好き。
可哀想で可愛らしい、愛おしい、そんな人間を描きたかったのです。

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