アカネイロが 聴こえる
第1章 プロローグ
土砂降りの雨の中、私はあの日から身動きが取れずに立ち尽くしている。
この景色……見たことある。
そんな感覚が最近、頻繁に起きる。
こういうのデジャブって言うのかな。
ふと気づけば夢の中にいるような感覚に襲われて、目の前には靄のようなものが現れる。
その度に、脳裏に現れるのは決まってあなたで。
行き場のない焦燥に駆られては、また心臓がえぐられるような苦しみを味わう。
あなたが私の前からいなくなってから、どれくらいの月日が経っただろう。
そんな事すら覚えていられない位に、1日1日が長くて、大昔の事のように感じてしまう。
私にとって、あなたと過ごした時間だけが本物で、あなたがいなくなってからの日々は、ありえないくら…
もくじ (7章)
作品情報
作品紹介文はありません。
物語へのリアクション
お気に入り
1読書時間
じっくりコメント
8リアクション
64