完結

始発電車

恋愛

更新日:2020年10月29日

始発電車

第1章



始発電車を降りて初冬の暗いプラットフォームに立つ。
火照る体をいましめる寒さがヒールを伝い登ってくる。

わたしはくるぶしまでのコートの上から強く自分の体をかき抱(いだ)いて
乾いた唇をそっと噛みしめてみる。

朝帰り。

不眠と興奮はお酒とあの男のせいだ。

 ミットモナイ
 モウ スコシモ タノシクナイ ノニ ワラッテ

ふらつく体のバランスをとるのに夢中になる。
改札口の外にいるはずのないあなたの明るい笑顔を見つけるまでは。

蛍光灯の白い光の下で
いつものように優しい「おかえり」の声。

驚くわたしを
言い訳もごめんなさいもなしで許すあなたの心のそばに
良い女ぶった邪魔な靴を脱ぎ棄てて裸足で今すぐ駆け寄りたい。

       






もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年10月29日

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