スプリング遊具は思う
第1章
どこの町にもある、平凡な公園の物語。
青々と生い茂った芝生に鎮座する白いウサギのスプリング遊具は、公園内で一二を争う人気の遊具だった。
あまりに沢山の子供達が彼に乗って遊んだ為、その塗装は剥げ最早まだら模様の茶色いウサギとなりかけていたが、彼はむしろその見た目を誇りに思っていた。
彼はただ、子供と一緒にユラユラしながら空を眺めるのが大好きだった。
ところが、凍てつく冬の寒さが和らぎ始めた頃、これまでに無い異変が起きた。
いつも子供で賑わっていた筈の公園から、子供が姿を消し始めたのだ。
ウサギは当初、長雨や肌寒さのせいだろうと思っていた。
しかしいくら日差しが柔らかくなろうとも、大勢の子供が公園へ遊びに来る…
もくじ (1章)
作品情報
作品紹介文はありません。
物語へのリアクション
お気に入り
0読書時間
4分コメント
0リアクション
11