きらめく
第1章
私は花火が大好きだった。
彼のことも、大好きだった。
ーまた来年、一緒に見ようね。ー
そう約束した。
だけど、その約束は叶うことはなかった。
思ってもみなかった世の中の変化と
思ってもみなかった…別れ。
春が来て、夏が過ぎ、秋になり…もう冬。
あっという間に季節が過ぎてゆく。
時間と共に、私の心から
『色』が失われていった。
『新しい生活様式。』
そんな聞き慣れない言葉も、当たり前になりつつあった。
ひとりでも平気。
そんな風に強がってみて、自分を誤魔化した。
ある日の帰り道。
ふと1枚のポスターに目を留めた。
『これは、日本中が 上を向くための物語。』
それは、真冬の花火大会の告知だった。
場所は非公開だったけど
2週間後、私…
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何もかもが変わってしまった。
もう私はずっと、俯いたままなのかもしれない。
そう思っていた。
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