完結

グッドバイ ディスタンス

恋愛

更新日:2020年11月24日

グッドバイ ディスタンス

第1章

 私は大勢の人で賑わう会場で1人、冬の夜空に咲く花火を待っていた。

 9ヶ月前、私は第1志望の大学に合格し、地元を離れ、大学のある町で新生活を始めた。
けれど、世の中はソーシャルディスタンスが義務付けられ、大学は休校になり、地元に戻った。
私と同じく進学のために地元を離れた友人らも戻って来ていた。
青春の1ページを誰かに破り捨てられたような喪失感があった私に

「高校の時みたいに、昼ご飯くらいは皆で一緒に食べよう」

と言って、ドロップの缶から1粒、掌にくれたのは、カンちゃんだった。
高校時代、制服のポケットにドロップの缶を忍ばせていた男子。
だから、皆は「カンちゃん」と呼んでいた。大学生になっても相変わらずのよう…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年11月24日

作品情報

彼が近くに来ると「カタカタカタ」と音がした。
まるで、猫の鈴のように。
まるで、恋の音のように。

卒業式がなくなってしまった、彼らと彼女らに贈る
掌(てのひら)サイズの恋物語です。

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