完結

冬空に花火が咲くのなら

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更新日:2020年11月16日

冬空に花火が咲くのなら

第1章

「ねえ、この冬空に花火が咲くなら」
「わたしに会いにきてよ」

 キミはそう言って電話を切った。

 だけど、あいにく今日は雨だ。
 残念だけど、キミとの約束は守れない。

 夏の夜空に粉雪が舞わないように。
 夕焼け空に星が降らないように。
 雨の日に、花火は上がらない。

 ――この冬空に、花火は咲かないんだ。

 ああ、今年は、
 いいことなんて何もなかった。

 毎日、毎日。
 外にも出られず、キミにも会えず。
 気持ちはいつも塞ぎこみ、くもりのち雨。
 
 変わり映えのない灰色の毎日に疲れて、
 天気予報を調べても、おなじ。
 くもりのち雨……。

 そして気づけば、また冬が来た。

 ――ねえ。

「なに」

 ――ねえ、聞いて。

「約束は守れないよ」

 ―…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2020年11月16日

作品情報

あいにく今日は雨だ。
残念だけど、キミとの約束は守れない。
夏の夜空に粉雪が舞わないように。
夕焼け空に星が降らないように。
雨の日に、花火は上がらない。

――この冬空に、花火は咲かないんだ。

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