和哉奈津
第1章
俺は奈津に声を掛けた。
「探したんだぞ」
振り返った奈津は笑顔でこう言った。
「見つけてくれてありがとう! まるで名探偵!」
いつもの調子に腹が立ちながら俺は、
「すぐにどっか行きやがって、心配したんだぞ」
と言うと、奈津は照れ笑いを浮かべて、
「ついお祭りって注意散漫になっちゃって」
それに対して俺はため息を吐いてから、
「スマホ忘れて連絡取れないくせに散漫になるなよ」
言われた奈津は
「でも和哉が見つけてくれると、信じていたから怖くなかったよ!」
と。
なんでそんな無根拠なポジティブを吐けるのか。
もっと説教しないと、と思い、俺は、
「でも見つからなかったら、どうしたんだよ」
と語気を強めて言うと、奈津はニコニコしな…
もくじ (1章)
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