5年越しの花火大会
第1章
花火大会、一緒に行こうね。
その約束は、果たされる事がないまま、大好きな祖母は亡くなった。
あれから5年が経つ。
忙しい両親に代わり、いつも一緒にいてくれた優しい祖母。
笑顔を作る事、人と話す事が昔から苦手な私は、友達ができず、祖母だけが話し相手で、唯一心を開ける存在だった。
今年も花火大会の日がやって来た。
昨年までは、1人で行く勇気がなかった花火大会だったが、今年は何故か、引き寄せられるように、会場に足を踏み入れた。
これから、花火で彩られるであろう、真っ黒な空を1人、見上げる。
私の心も、花火のような光で彩られる日が来ればいいのに…
スマホケースのポケットから、祖母の写真を取り出した。
ふと、横を見る…
もくじ (1章)
作品情報
大好きだった祖母が亡くなって5年。
一緒に行く約束をしていた花火大会に、5年の月日を経て、1人で訪れた。
花火を見上げて訪れる、心境の変化とは。
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