ミサンガ、作ってよ。
第1章
気になる人がいる。
斜め前の席で、頬杖をついて本を読んでいるあの子。
光が当たって天使の輪ができている焦げ茶色のストレートボブと、透けるように白い肌。
普段は友達と喋っていることもあり、交友関係も広いようだけど、四六時中友達とべったりしているわけでもなく、どこか浮世離れした雰囲気を持っている。
彼女が今読んでいる本は、どうやら俺がこの前衝動買いした本のシリーズだ。
そういえば以前も俺が好きな本を読んでいたことがあったかもしれない。
読んでいる本のジャンルが同じ人って、今まであまり出会ったことがなかった。
男子は少年マンガにしか興味がない人しかいなかったし、女子はというともっぱらケータイ小説だ。
彼女はい…
もくじ (1章)
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きっかけは、一冊の本だった。
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