詩集〈続素敵滅法界彷徨〉
第1章
『古書店』
とびきり濃い珈琲を出す
と噂の古書店に
著者の名も性別も
好きな食べ物も
わからない
素敵滅法界彷徨と云う
詩集がねむっている
読むと少しだけ
目の輝きが増すらしい
僕はその古書店を求めて
家の周りを懸命に
散歩するがみつからない
明日こそはと
空を見上げた
『雲とわたくし』
ゆらゆら
と光る
海月の映像を
夢中配信する水面下
ブラックに三日月形の砂糖を入れ
かき混ぜる指先で映像を選択
今夜は特別な日でそれは
久方の
苔むす天の雲の都
中央の優しき
巨大噴水に行先を告げ
あかねさす
雲のへりでくつろぐ
紫陽花の
あかむらさきの
咲き誇り
三日月形
の砂糖転げ落ち
シュウウノヨウニ
海へ!海へ!
一口飲んで夢中配信
朝早く
起きて気…
もくじ (20章)
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続続素敵滅法界彷徨との二部作。
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