おまじないちょうだい
第1章
「おまじないちょうだい」
私が彼に向ってそう言うと、彼は笑いながらこう言った。
「おまじないは人からもらうものじゃないよ、自分で作るものだよ」
「おまじないの本とかあるから自分で作るものじゃないし、自分で作るそういったものはルーティンじゃん」
私がそう言うと、彼は無言で某五郎丸のようなルーティンを真似し始めた。
真剣そうな瞳はまさしくオリンピックの時のような表情。
彼の足元には間違いなくラグビーボールが見えた刹那、私は芝生の上に立っていた。
野良犬の大合唱のような観客の大歓声が鳴り響く、グラウンドに私は立っていたんだ。
急に何なんだ、VRでもしていたっけ、とか思ってしまうが、そのジリジリ肌を焼くように熱い日…
もくじ (1章)
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