ばあちゃんと僕

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2021年1月17日

ばあちゃんと僕

第1章

 あの頃、ぼくは心がささくれ立っていた。母親にも、家族にも、友達にも教師にも、自分の将来にも、何に対してもイライラして、ひどく投げやりでぶっきらぼうだった。

「たいちゃん」
聴き慣れた声が僕に呼びかけた。

僕はあえて返事をしない。
「たいちゃん、ちょっと手伝ってくれんね?」
それでもなお、ばあちゃんは優しい声で僕に呼びかけた。
「…なんね」
僕はぶっきらぼうに返事をした。
「絹さやのヘタを取りたいんやけど、よう見えんのよ」
ばあちゃんは小さな丸メガネを近づけたり遠ざけたりしながら、困ったようにそう言った。
「なんね、そげんこつ、めんどくさか。」
僕は本当にそう思っていた。
「そんなこと言わんで、ほら、手伝ってくれたら…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年1月17日

作品情報

作品紹介文はありません。

物語へのリアクション

お気に入り

0

読書時間

5分

コメント

2

リアクション

14

関連作品

このページの内容について報告する