No.112
第1章 埃っぽい朝のこと ーソダイゴミー
長方形に切り取られた空。その向こうには、抜けるように澄んだ青い世界が広がっている。
「綺麗だ」
俺は掠れた声でつぶやいた。それにしてもここはどこだ。やけに埃っぽい、それに……朝か。灰色のビルが立ち並び、ネオンの消えた看板がそこかしこに掲げられている。剥き出しの、薄汚れた地面に俺は直に寝かされている。衣服を確認する。幸い、裸ではなかった。
しかし、胸に触れた時に何かクシャッと音がした。白い紙に、黒マジックで書いて貼り付けらていた。
『粗大ゴミ』
……俺は大きなため息をついた。よく周りを見ると、ここはゴミ捨て場だった。なんつー悪質なイタズラだ、本当に死んでたらどうすんだ。イラつきとともに、頭の痛みが増して…
もくじ (3章)
修正履歴作品情報
時は2050年。橘ハヤトはゴミ置き場で目が覚めた。頭がガンガン痛くて、昨日の記憶も朧げなハヤトは動かない身体で思い出す。「あぁ、そうだ、昨日瑛美と別れたんだ。そしてー」
そんなハヤトの前に謎の少女が現れ、そしてハヤトの世界は一変した。「なぜ、世界は、空は、こんなにも美しいのに」。少女は絶望に打ちひしがれるハヤトを、光の世界に引きづり出していく。#未来#SF#恋愛
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