官能のおまじない

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更新日:2021年1月22日

官能のおまじない

第1章

 あの日、あの暑い夏の日。僕はベランダで彼女を抱きしめながらキスをした。彼女は僕の腕の中で身体を硬くして、戸惑いながらも僕を受け入れた。
 重なった唇や僕の頬に触れた彼女の掌のわずかな震えから、緊張が伝わってくる。でも僕はというと、彼女に触れられた喜びで興奮状態にあった。僕がなおも強く彼女の唇を貪ろうとすると、彼女はふいに唇を離した。

「ちょっと……」
そう言って、彼女は赤くなった顔を隠すようにして僕に背を向けた。
「……とりあえず、中に入ろうか」
 僕はそう言って、彼女の肩に手を置いて一緒に部屋に入った。顔を赤くして俯きながら歩く彼女の横顔を見ると、僕はまたすぐに彼女にキスをしたくてたまらなくなった。そし…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年1月22日

作品情報

 あの日、僕はベランダで彼女を抱きしめながらキスをした。彼女は僕の腕の中で身体を硬くしたまま僕を受け入れた。重なった唇や僕の頬に触れた彼女の掌のわずかな震えから、彼女の緊張が伝わってきた。


 僕にはわかる。君が迷っているということを。本能と理性の狭間で、君は揺れている。そして君の中に抑えようの無い魔物がいることも。

 もしも、君が官能したいなら。
 もしも、君が自由になりたいなら。
 
 僕の元に来ればいい。僕にはその手伝いができる。

 とっておきの、官能のおまじないで。

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