シナプスの空に
第1章
■第一章 春
公園のブランコ。そこで私は高く高くブランコをこぎ続けている。ブランコがちょうど地面と垂直になろうとするくらいに高く飛び上がった瞬間、お尻が座面から滑って私は空中へ飛び出された。
やばい……。落ちる!
ハッと飛び起きると、起こり気味の母が横に立っていた。
「紗良! 今日から高校3年生でしょ。いい加減、遅刻ギリギリに起きるのはやめなさい!」
最近、この夢で目が覚めることが多い。ブランコが現実と夢を繋ぐ道しるべなのだ。時間を見ると8時を過ぎている。こりゃ猛ダッシュだ。
私は超高速で制服に着替え、食パン片手に家を出る。学校まで走って10分! 間に合うか。
しばらくすると同級生の明美の後ろ姿が見えてきた。良…
もくじ (1章)
作品情報
悩みを抱えながらも前へ前へと進んでいく高校生の物語。
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