完結

朧狼

SF・ファンタジー

更新日:2021年3月17日

朧狼

第1章

「ああ、そこ行くお方。しばし待たれよ。こんな夜更けに一体どこに行かれる。あちらには町の出口と川しかありませんぞ。それともあちらに用事がおありかな?」

真夏の丑三つ時、寝苦しくなって夜の散歩に出かけた私は団子屋の毛氈(もうせん)に座る一人の輩に呼び止められた。そいつは浪人笠を深く被っている虚無僧である。彼の横に掛けてある提灯がぼんやりと、だがどこか不気味に闇を照らしていた。…はて、川などあっただろうか?私自身、町の外に出る機会などほぼないから言われたところで心得ない。

「今宵は月明かりもない真っ暗闇ゆえ、用事がないなら無闇に出歩かない方がよろしい。『朧狼』が出てしまうやもしれん。」

おぼろおおかみ?…

もくじ (4章)

修正履歴
  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年2月20日

  • 第2章 第2章

    第2章

    2021年2月27日

  • 第3章 第3章

    第3章

    2021年3月1日

  • 第4章 妖怪『朧狼』に関する報告と見解 第4章 妖怪『朧狼』に関する報告と見解

    第4章 妖怪『朧狼』に関する報告と見解

    2021年3月17日

作品情報

朧狼:日本の妖怪。一般に「おぼろう」と呼称するが、正しい読みは「おぼろおおかみ」。新月の夜にのみ実体化する。煙が狼の形をとったような姿で、幻を見せるとも神隠しをするとも言われている。

※3部構成、もしくは4部構成の物語です。

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18分

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