アンコール
第1章
「明日世界は終わるんだって」と言った菜穂はどこか嬉しそうな顔をしていた。僕が今まで見てきた笑顔とは格段に違う、笑み。もし今までの笑みが嘘なのならば、これがきっと菜穂の本当の笑みなのだろうと思ってしまう。
「……何」
「知らない? YOASOBIの『アンコール』の冒頭部分」
「菜穂が歌うから嫌というほど知ってる」
僕はこの前初めてYOASOBIが歌番組で『アンコール』を披露してから、ずっと歌っている菜穂の姿を思い出して、頷く。
『アンコール』は「明日世界は終わるんだって」と印象的な冒頭部分からあっという間に曲の世界に引き込まれてしまう、そんな歌だ。原作も、素晴らしかった。本を読まない僕でも、つい気になって…
もくじ (1章)
作品情報
「なかったら、2人で明日に『アンコール』しよう」
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