おはよう 総大将 頑張ろう
第1章
「おはよう」って娘に声を掛けると、小さな娘は悲しそうに僕の顔を見つめる。
おはようは、僕が家を出て、会社に行く合図だから。娘は会社を魔物だと比喩する。我が子ながらそのセンスに脱帽する。
確かに、会社は、戦場だ。
昔は「早く一人前になろうぜ!」と鼓舞し合い、切磋琢磨していた同期たちは、今や
出世争いという名の戦のためにメラメラと闘志を燃やしている。昔のように信用することはできず、気軽に会社や上司の愚痴をこぼすことができない。
強い上司の下については媚びを売る。「一生ついていきます!」なんて言いながらもその席が空くチャンスを今か今かと待っている。
まるで戦国武将だ。
かつては味方だった同期も今となっては敵だ。…
もくじ (2章)
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