優しい告白
第1章
私は学校の図書室が好きだ。静かだし、定期テストが近くない限り賑やかじゃない。それに、ここの本の匂いが好きだ。本が出す独特の匂い。新品のページを捲るたびに香るあの匂い。あれがこの部屋には充満している。
それに、元々私が読書家であるということもある。暇さえあれば本を読んでいるし、読書をしていないと食品の裏側に書いてある表示を読んでしまうほど、活字中毒に溺れている。
今日も私は図書室で、次読む本を決めていると、ふと一冊の本の前で止まった。前に、司書さんから聞いたことがある。この図書室で一番古い本である、と。その話を聞いた時、一度興味は持ったが、今読んでいる本があったし、それからもずっとこの本について触…
もくじ (1章)
作品情報
ちょっとだけ。ちょっとだけだけれど、世界が優しくなったような気がした。
『優しい会話』の続編です。
https://monogatary.com/story/117220
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