完結

白い場所

SF・ファンタジー

更新日:2021年2月5日

白い場所

第1章

 広ささえ分からないこの場所は、眩しく白い。ここにあるものは、静寂の耳鳴りと孤独だ。私は膝を抱えて座り込んでいる。重く動かない足をスカートの裾に隠して、どれくらいの時間じっとしていただろう。

「アマネさん」

 男の人の声が私を呼んだ。宇宙からのメッセージのように思えて、落としていた視線を上げると、私の前に誰かが立ち止まった。この人の声だ。彼はどこか不安げに微笑んで、落ちる羽根のように腰を下ろした。真正面にいるこの人のことを、私は知らない。

「はじめまして」

 挨拶をした私の顔を、彼は物言いたげに覗き込んだ。

「良かった。僕の声が聞こえるんだね」
「ねえ、ここがどこなのか、知ってますか?」
「キミは、知らないの…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年2月5日

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