封印された秘密の呪文
第1章
簡単に世界が壊れてしまうなんて、誰が決めたの?
どうして、今日が最悪なんて顔をしてるの?
君の声が聞きたい――。
❋
僕らの世界は、大きなマスクで口元を覆って、言葉が封印されてしまった。
離れた所で、僕は君と目で会話する。
君が瞬きすれば、君の今の気持ちが分かるよ。
君は、今日も悲しい眼差しを僕に向けてくる。
でもね、君がどうして悲しんでいるのか、分からない。
僕は、マスクを外して君に語りかけようとする。
でも、君は全身全霊でそれを止めるんだ。
それをしたら、僕の身体が消えてしまうことを怖れてる。
本当はね、せめて指で君に触れたい。
優しく触れて、君の心の中の悲しみを癒やしてあげたい。
きっと冷えてしまっている柔らか…
もくじ (1章)
修正履歴作品情報
言葉が失われた世界で、
君に会いたい僕は、
世界を開放するという
「封印された秘密の呪文」
を求めて
過去の世界へ旅に出る。
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