発見器の故障
第1章 前編 私の布石
前の席の越山は、犬並みの嗅覚を持つ。
担任の滝川先生は加齢臭がする、と言ってあまり近づかないし、体育の後は汗や制汗スプレーの臭いが混ざって地獄だ、と言って鼻栓をしている。
その程度であれば、普通に鼻が利く人だけど、越山はそんなレベルではない。
私が部活前にこっそり食べようと思って持ってきているお菓子を当ててしまうのだ。
今日の昼休みだって、こんな会話をした。
「澤野。今日は飴ちゃんやろ」
「当たり当たり!なんなん?なんでそんな分かるん?犬なん?」
「犬ちゃうわアホ!同じあまーいお菓子でも、チョコと飴とおはぎやったら全然臭いがちゃうんや」
「いや学校におはぎ持ってくるやつはおらんやろ」
こんな風にお菓子を持って…
もくじ (3章)
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