ミルクティー外交官
第1章
「終末、どこ行きたい?」
奥様が、ミルクティーをテーブルに置きながら聞いてきた。
「とりあえず、スーパーにでも買い出しに行こう」
「それは、週末の話でしょ。私が聞いているのは、終わりの終末。この世が終わるとか、死ぬ間際に、どこに行きたいかって話」
笑いながら、僕の向かい側の椅子に腰掛けた。向かい合って、熱々のミルクティーを飲む。テーブルの上には、美味しそうな手作りクッキー。夕食後の憩いの時間だ。
結婚して、五年。まだ子どもはいない。結構、仲の良い夫婦だと思う。科学的には、三年で愛情は無くなるらしい。でも、未だに奥様を可愛いと思っている。科学は、意外と当てにならない。
「あなたは、自転車が好きだから、やっ…
もくじ (1章)
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