家康のチートデイ
第1章
我が名は、徳川家康。
戦国時代を生き残り、徳川幕府を作り上げた。人が血を流す日々が、今、ようやく終わる。
今朝は、雲一つない晴天だ。暮らす屋敷の廊下にて、深呼吸をする。朝の空気は冷たくて美味しい。見渡す庭は緑にあふれ、穏やかな自然が広がっていた。
「殿のおかげです。戦乱が終わるなんて・・・未だに信じられません。殿、本当に良い朝でございますな」
「あぁ、そうだな」
長年、苦楽をともにした老中が顔をくしゃくしゃにして笑っている。それがもう、笑っているのか、泣いているのか、よく分からない。老中の目頭にきらりと光るものが見えた。
「お前にも、ずいぶん苦労をかけたな。あとの余生は、ゆっくりするといい」
「殿・・・…
もくじ (1章)
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