完結

サクラ、ソマル。

恋愛

更新日:2021年3月13日

サクラ、ソマル。

第1章

「告白ってさ、どうしてあるんだろうね」
 
 薄桃色の花弁が、僕の目の中を埋め尽くす。春の一番が、この季節の主役は自分だと、無数の薄桃色の花弁を巻き込んで吹き荒れる。けれど無常にも、その儚さが春の一番から主役の座を奪い去っていた。
 そんな中で、彼女の長い黒髪だけが、散ってしまう儚さに抗って靡いていた。僕はその光景を前にして、眼に鍵が掛けられる。

「どうしたの、急に」

 掛けられた鍵のありかを探すように、僕はありきたりな言葉を紡ぐ。動かせない眼の代わりに、僕は必死に口を動かした。

「いや、なんていうか、今頃告白してる人っているんじゃないかなって思ってさ」
「まぁ、何人かはいるだろうね」

 花の装飾を施された僕た…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年3月13日

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