失恋の経験
第1章
学校からの帰り道、彼女と二人で駅まで向かう。
彼女とは一カ月前にサークルで知り合って、それ以来密かに想いを寄せていた。
こういう言い方をするとナルシストとか思われそうだけど、彼女も僕に気がありそうだった。いや、脈ありだってわかるサインとかあるじゃん?そういう感じだ。
「それで元カレがさー、もうちょっと気遣ってくれてもいいじゃんって思ってさ」
彼女が僕に元カレの愚痴を言うのは今日に始まったことじゃない。元カレの話に限らず、彼女が何かを話しているとき、僕は聴く側に徹する。
中学時代に付き合っていた人には、僕は僕の話ばかりしていて彼女の話をまったく聞いていなかった。付き合っていた時に、
「あなたは根はいい人…
もくじ (1章)
修正履歴作品情報
何か失敗をしたら、そこから何かを得ればいい。そうすれば失敗は単なる失敗じゃなくなると思います。
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