完結

白い足をくるむ朱いエナメル。

ホラー・サスペンス

更新日:2021年4月8日

白い足をくるむ朱いエナメル。

第1章 白と朱の美。

私の一番古い記憶は母のものとなる。
私を棄てた母。出ていく姿が脳裏に残る。
母が私を産んだのは二十歳の頃と聞いている。
そうなると、母が二十四。私が四歳ころの記憶だ。

父と母の怒鳴り声が響いたあと、母の嗚咽が止まらなくなった。
母は私の名前をずっと呼びながら抱きしめていた。
しかし、そんな時も長くは続かなかったと記憶している。

母は荷物をカバンに入れていた。
両手にカバンを持った母が私を棄てて出ていく。

玄関へ向かって歩く母の白い足が忘れられない。
白い両足が、ゆっくりと進んでいく。
そして、音も立てずに、静かに玄関に着く。

少し母の上半身が前のめりになる。
母は、朱くて光るエナメルのパンプスを履いていた。
「これが…

もくじ (4章)

  • 第1章 白と朱の美。 第1章 白と朱の美。

    第1章 白と朱の美。

    2021年4月7日

  • 第2章 肉を包む溝の香り。現実の生活。 第2章 肉を包む溝の香り。現実の生活。

    第2章 肉を包む溝の香り。現実の生活。

    2021年4月8日

  • 第3章 キュッと締まる 第3章 キュッと締まる

    第3章 キュッと締まる

    2021年4月8日

  • 第4章 息を奪いたかった男 第4章 息を奪いたかった男

    第4章 息を奪いたかった男

    2021年4月8日

作品情報

その男はあらかじめすり替える靴を用意していた。

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