完結

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更新日:2018年11月27日

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第1章

「りんごが赤くなると医者が青くなる」
そう言って、君はよく研究中でもりんごをかじっていた。

「君も言い伝えとか言うんだな」
僕がそう言うと、君はりんごの科学的効能をたくさん挙げたけれど、結局は、あの甘酸っぱい芳香と、しゃりしゃりという歯ごたえと、そして、ただ机の上に置いているだけでも満足していたところを見ると、あの形や鮮やかな赤色と、つまりはすべてが気に入っていたのだと思う。「ニュートンにあやかりたいだけ」とも、冗談で言っていたっけ。

凄い人間というのは、本当にいるものだ。英語、仏語、独語の論文を読み、高度に専門化した現在では、自分の研究領域以外を理解するのは極めて困難な中、そういう人間は、いつ勉強…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2018年11月27日

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図書館司書というよりも、図書館のような人でした。

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