完結

ほろ苦い思い出

第1章

高校生の頃、僕は決まって学校帰り、とある喫茶店に足を運んでいた。
その店は路地裏の目立たないところにあり、客は僕の他には白髪の男性が一人いるくらいだった。

「あら、純君。いらっしゃい。」
店に入ると、彼女の明るい声が狭い店に響く。
「こんにちは、お姉さん。」
僕はいつもそんな挨拶をして、カウンターの一番奥の席に腰を下ろす。
いつも同じ席に座るものだから、いつしか僕が座るよりも先におしぼりが置かれるようになった。

「今日もいつもの?」
「はい、お願いします。」
そうして彼女がコーヒーを入れはじめ、僕は鞄から取り出した本を広げる。
しばらくしてコポコポという音とともに優しい香りが鼻をかすめる。
少し顔をあげると、真…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年4月12日

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