完結

死にたいならもっと死神が殺したくなるように生きた方がいい

更新日:2018年12月3日

死にたいならもっと死神が殺したくなるように生きた方がいい

第1章

「死にたい」

 僕は殺風景な病室でつぶやいた。
 誤解させたら申し訳ないけど、僕はベッドに寝てる側の人間じゃない。
 
「……じいちゃんの見舞いに来て最初に言うことがそれか?」

 ベッドに寝てる側の人間はそう言って笑い、しわくちゃの顔にしわを増やした。
 僕はベッドの傍らの椅子に座って、やせ細ったおじいちゃんを見下ろしている。
 
「でもじいちゃんだって、目の前でうまい酒飲んでる人がいたら『飲みたい』って思うでしょ」
「思う」
「同じことだよ」

 おじいちゃんは今度は眉間にしわを増やした。

「……ったく、こちとら生きたくて生きたくてしょうがないってのに」

 僕は苦笑して肩をすくめた。

「じゃあ僕にうつしてよ」
「おま、癌を風邪みた…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2018年12月3日

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僕は死にたがっていた。おじいちゃんは死にかかっていた。彼女は――。

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