完結

カラスのお仕事

更新日:2018年12月10日

カラスのお仕事

第1章

雨が降っていた。外に出てはじめてそう気がつくほどの細い雨だ。

「これを霧雨って言うんだ」

一人きりで学校から家に帰る少年は、習ったばかりの言葉を思い出した。

いつも一緒に帰っている友だちは、最近習い事を始めたとかで、一人で帰る日が増えた。

今日はついてない日だった。

テストの点はどれも思ったほど良くなかったし、体育の授業でも失敗をした。

少年は川沿いの土手を一人で歩いた。

土手には桜の木が並んでいる。春ならばピンク色の花びらと暖かい空気が包んでくれて、歩いているだけでも夢見心地がする。

今は秋も終わろうとしていて、冷えた空気の中で、黒ずんだ幹と枝だけの寂しいお迎えだ。

ひと月ほど前なら、川の方へ目をやれば、ス…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2018年12月10日

作品情報

昨日カラスをじっと観察していたときに思ったことを、せっかくなのでお話にしてみました。短い童話のようなものです。

物語へのリアクション

お気に入り

2

読書時間

4分

コメント

2

リアクション

6

関連作品

このページの内容について報告する