完結

タイム・ドリップ

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2021年4月28日

タイム・ドリップ

第1章 第一章 温

1995年1月17日の朝。
兵庫県神戸市の某国道上には、大小さまざまに飛び散ったガラス片と一緒に、無数の珈琲豆が散らばっていた。
国道沿いにある珈琲豆専門店の屋根はひしゃげて、ガラス扉の枠がいびつに折れ曲がって歩道に飛び出ていた。照明の消えた暗い店内では、珈琲豆の収納棚が倒れて乱雑に積み重なり、豆の詰まっていた麻袋の端が破れて歩道に幾つも無造作に投げ出されていた。
見渡す限り、倒壊した建物たちが続く。

震度7の揺れがもたらした大惨事の光景と冬の晴れた空の組み合わせは、当時11歳だった私の目には、妙にちぐはぐで映画のセットみたいに映った。
幸い自宅も家族も無事だった私には、まだ絵空事に思えたのかもしれな…

もくじ (3章)

  • 第1章 第一章 温 第1章 第一章 温

    第1章 第一章 温

    2021年4月28日

  • 第2章 第二章 冷 第2章 第二章 冷

    第2章 第二章 冷

    2021年4月28日

  • 第3章 第三章 温&冷 第3章 第三章 温&冷

    第3章 第三章 温&冷

    2021年4月28日

作品情報

1995年1月の阪神・淡路大震災にて、神戸で被災した主人公の華(はな)は家族と避難した先で見知らぬ他人からの親切心により、「初めて、コーヒーを心の底から美味しいと思えた」経験をする。その後26年以上の年月が経ち、不妊治療が上手くいかず落ち込む華だったが、夫に連れられた「大人限定の遊園地」にて、再び自らの生き方に深く関わるようなコーヒー体験を得る。
「一杯のコーヒーが人生を変える」をテーマに、ドリップのようにゆっくりと抽出された時間を重ねて気付く、「生きる強さ」や「愛する人たちとの絆の大切さ」等を描いたヒューマンドラマ。

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  • 挿絵

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