完結

秘密をあげない

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更新日:2021年6月13日

秘密をあげない

第1章 秘密をあげない(前編)


 玄関のドアを開けると、学校指定の鞄を片手で持った健吾と出くわした。おはよう、と言い合い、私はなんとなく健吾の隣を歩く。夏の始まりを感じさせる湿った風が、プリーツスカートの裾を揺らした。

「そういえば、中間テストの結果、どうだった?」
「別に、問題ない」

 言葉がぶっきらぼうなのは健吾の昔からの癖で、私はいまさら驚く事もない。通常通りの平日の朝。
 初夏を思わせるような六月の朝は、缶に入ったドロップスのように様々な色で溢れている。一日が始まる鬱陶しさと、その中に隠れている宝箱を探すような高揚感。
 家が隣同士である私と健吾が通う高校は徒歩圏内にあり、十分も歩けば周囲には同じ制服を着た学生達の姿が見えてくる。正…

もくじ (2章)

修正履歴
  • 第1章 秘密をあげない(前編) 第1章 秘密をあげない(前編)

    第1章 秘密をあげない(前編)

    2021年6月13日

  • 第2章 秘密をあげない(後編) 第2章 秘密をあげない(後編)

    第2章 秘密をあげない(後編)

    2021年6月13日

作品情報

幼馴染の健吾は、入学式の後で養護教諭の安本先生に恋をした。その瞬間に立ち会った私は、そんな健吾の姿に恋をした。
高校生男女の、ままならない片想いのゆくえ。

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