完結

滲む言葉と春光

恋愛

更新日:2021年6月13日

滲む言葉と春光

第1章

  空の夜には星がながれる
  わたしの生きているこの一瞬に
  地球に降り立つ一瞬の光を
  わたしが受け取ったという奇跡
  運命のようなその光を
  わたしは抱いて夜をゆく


 高くなりつつある白い陽射しが廊下へと差し込んで、校舎の片隅にも春の訪れを予感させていた。終了式を終えて明日から春休みを迎える学校に私以外の生徒はおらず、廊下はどこまでも静かだった。

 私はその中をひとり歩いて、図書室の隣の司書室の前にたどり着いた。制服のリボンと前髪をすこし直して、スカートを軽くはたく。変なところは無いか一通りチェックをしてから、バッグを肩にかけ直した。

 ドアをノックすると、中から「はい」と、男のひとの声が聞こえた。精悍で鋭い、けれどやさし…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年6月13日

作品情報

詩がつないでいた私とあの人

物語へのリアクション

お気に入り

0

読書時間

4分

コメント

2

リアクション

5

関連作品

このページの内容について報告する