完結

嘘の多様性

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更新日:2021年6月18日

嘘の多様性

第1章

 あなたが嘘をつかなくても生きていけるように、私は嘘をついた。私と一緒に居たら幸せになれない。私はあなたに幸せになってほしかった。
 
 雨上がりで昼下がり、あれから二日、彼から連絡がきた。彼からきたラインはこうだった。

──会って話がしたい。納得できない。僕を悪者にして逃げないでよ。僕たちはまだ話し合っていないじゃないか。


 それから数時間後、彼は私の住むアパートにやってきた。私は話し合うことなんてない、と言った。それは嘘だった。話し合うことなんて道端の石のようにそこらじゅうに転がっている。なぜなら私たち一度も話し合ってこなかったのだから。

「嘘だね」

 彼は窓を開けた瞬間に吹き付ける春の風のように私の家に入っ…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年6月18日

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多様性とは

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