完結

祈り

恋愛

更新日:2021年6月25日

祈り

第1章

 僕がその表情が好きだと言うと、君は決まってまたはにかむように微笑む。何か大切なものを隠すようにそっと瞳は逸らされる。君に笑っていて欲しいだけなんだと、どう伝えればいいのだろう。


 彼女は人々の不幸の終着点みたいな人だった。上から川の流れのように下りて来る人々の不平不満や怒りはすべて彼女で止まる。それは彼女がそれらを捨てるすべを持たないからだった。溜め込まれた不幸は彼女の奥底で心を蝕み続けている。


「何か嫌なことがあったら愚痴でもなんでもいいからさ、僕に言ってよ」

「私、苦手なの。愚痴とか悪口とかそういうの。だから気にしないで。私なら大丈夫だから」

「大丈夫じゃなさそうだから言ってるんだよ。僕は君を愛し…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年6月25日

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