歌集 よるのあとのあと
第1章
最期ならほどいてあげる呪い(まじない)を
よるのあとにはよるのあとのあと
クッションをふたつ並べて選びっこ
あなたはいつも白いモコモコ
ふたりして同じシャンプー使っても
重ねたあなた違った匂い
君だけと細くて脆い肩を抱き
太ゴシックで好きと書く指
満面の笑顔はまるいお月様
ウインクひとつでごまかさないで
前髪よあなたの胸に突き刺され
黒い眼球瞳孔の穴
しわくちゃなシーツにひとり包まれる
遠いあなたの匂いに溺れ
包まれて直す間もなく夢に落ち
乾いたルージュひび割れる朝
夢で見た嬉しい記憶だけ抱いて
目覚めたいのに思い出せない
産みたての双子のように目を覚ます
朝のひかりで後悔隠す
かんたんな顔で無邪気に言わないで
動かぬ沼に風の…
もくじ (1章)
作品情報
「よるのあとのあと」のイメージで現代短歌を27首つくりました。あなたのお気に入りを見つけてもらえたら嬉しいです。
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