完結

あの夏の蝉の声

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更新日:2021年7月12日

あの夏の蝉の声

第1章

「ちっ、やっぱり予報は当たったか…」

傘を持たなかった自分に後悔しながら、仕方なく水溜まりを避けながら砂利道を走った。

角のたばこ屋で雨宿りをさせて貰おうと小走りになると、いつもの看板猫が訝しげな顔でこちらを睨んでいる。

たばこを買わないお客は御免とばかりに、そっぽを向いて目を閉じてしまった。

すると店の奥から若い女性が顔を覗かせて
「こら!ナツったらまたここに居たのね」

店先に立つ俺の姿に気付いた女性は
「あっ、いらっしゃいませ」

当然、客だと思われた俺は慌てて
「あ、すみません、違うんです。
雨が降って来たので少しだけ雨宿りをさせて貰おうかと...」

「あ、どうぞごゆっくり」
そう言うと女性は店の奥へと猫を抱…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年7月12日

作品情報

《ひぐらし 第五十四作目》
儚い夏の恋物語

蝉時雨になぜか涙が溢れそうになります

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