FANG
第1章
浅瀬で波乗りを楽しむ頃はまだよかった
憧れの大海原に出たなら
曖昧なすべてに 明日さえ不確実で
案の定 網に絡まって
それを切り裂くための牙が必要になった
だけど 突然に手にしたものだから
その上手な扱いを私達はまだ知らない
真価が転じて 歪むその時は
きっと悲劇も目にするだろう
哀れな子羊が生け贄になり消えていった
独りでは狼でも同じこと
複雑な迷路に 足取りも不安定で
それならば 駅に集まって
皆乗り合わせればいいと言うようになった
だけど 独善に身を委ねることの
その本当の功罪を私達はまだ知らない
進化と信じて 進むその先で
どんな寓話を手にするだろう
例えば
森の中で
出逢いやすくなった 繋がりやすくなった
だけど正体まで知られないよ…
もくじ (1章)
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