すべてを君と
第1章
朝、鏡を見ながら君の事が頭によぎる。
『あれ、ちょっと太ったかな。気を付けないと。だらしないと思われるや』
ドアを開けると同時に風が吹いて君の事が頭によぎる。
『いい風だ。この風にふかれる君が見たかったな』
植物に詳しくないけど、金木犀だけは分かるから、
秋が近づくとその匂いを探す。
少しでも君と同じものを感じられるのが小さな自己満足なんだ。
遠くに出かける時は、必ず君が窓際。
外に見える四季折々と君を一緒に目に入れられるの、お得でしょ。
風が湿ってくる季節には君の髪が短くなって、
さすように冷たい風の時には長くあったかそうな髪になる。
君を見てるだけでも季節の移り変わりを感じることができるよ。
今まで季節な…
もくじ (1章)
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2次元とか3次元とか、周りの声はいったん置いとこう。
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