休日出勤
第1章 勝ち目のない彼女の哀しいプレゼント
カタカタカタ…
先輩「早く終わらせろよー」
私「まだ資料ができないんですぅー」
タイピングする私の真向かいに先輩が座り、欠伸をしている。
今、貸会議室で、先輩と2人きり。
というのも、明日のプレゼン資料に不備がある事に今朝気付いて、先輩にヘルプの電話をしたのだ。
奥で彼女らしき声が聞こえたが、先輩は「仕方ないな〜今回だけだぞ?」と、休日なのに駆けつけてくれた。
でも、そのワガママを言うのは今日で最後。
だって先輩は、来週、結婚するから。
今日は自分の気持ちに区切りを付けるためにも、先輩を呼び出したのだ。
「先輩の普段着姿カッコイイ…パーカー似合いすぎでしょ…」と、あらぬ妄想をしていたら、先輩に肩をコツンとつつか…
もくじ (1章)
修正履歴作品情報
上司と部下の、切なすぎるほろ苦悲恋ドラマ。
教育担当である事を口実に、仕事の事を理由に休日に先輩(男性)を呼び出す、新人女子社員(主人公)。
こうして今日も、ヘルプの電話をする。
「先輩、私、明日のプレゼン資料がまだできてなくて…。手伝ってくださいよー!」
必死でお願いすれば、「仕方ないな…」といつも付き合ってくれる。
今も私のためだけに休日出勤してくれてるし、先輩の普段着のパーカーが見れたし、気分は最高潮!!!
でも、今日限りでお終いにする。
なぜなら先輩は、来週、結婚するからだ。
先輩に帰る場所があるのは分かってた。
だけど今だけは、私の事を女として見て欲しいの…。
先輩に結婚のお祝いと言い、哀しいプレゼントをした。
この時間が過ぎれば、片想いをキッパリ終わらせますから。
先輩お願い、私の想いを受け取ってください。
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