完結

消沈と迷妄

ホラー・サスペンス

更新日:2021年7月23日

消沈と迷妄

第1章 前編

 心臓を素手で握り潰されるような感覚だった。視線は狼狽して定まらず、額から滴り落ちる脂汗は生ぬるくて気持ち悪い。馬鹿みたいに唾液が出て、口のなかがベトベトする。眩暈がしてきた。息もしづらい。

 ……なんで、こんなことになった。

 必死で働いてきた。土日も返上で一心不乱に金を稼いだ。日中はコンビニでアルバイト。日が暮れてから夜明けまではカラオケ店で働いた。

 生活に困窮している実家に無理を言って、大学に進学させてもらった。そのため学費は全額、自分で稼ぐ必要があった。サークル活動などには目もくれず、授業以外の時間のほとんどをアルバイトに費やした。

 休まず昼夜も問わずに働いて、手取りは月に25万円。家賃と生活費が…

もくじ (2章)

修正履歴
  • 第1章 前編 第1章 前編

    第1章 前編

    2021年7月23日

  • 第2章 後編 第2章 後編

    第2章 後編

    2021年7月23日

作品情報

打てば打つほどやめられない、無常にも溶けていく紙幣たち。ギャンブルの恐ろしさを生々しく描いた短編ホラー小説。

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