完結

母の企み

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2021年7月24日

母の企み

第1章 1 現金がなくなって失われたのは

「現金って言葉、すごいよな」

 そう言ったのは、高校生の息子の冬樹(ふゆき)だ。台所で夕飯用に味噌汁を作っていた私は、冬樹の言葉に、え? と振り向いた。

「なに、突然」
「現金だよ。昔、使ってたんだよね。母さんが子どものころはさ」

 そう言う冬樹の手元にはいつも通り、腕時計型デバイスがある。どうやらデバイスで受信したテレビ番組をテーブルの上に投影して鑑賞していたらしい。

「ああ、確かに使ってたよ。今から何年前だろう。30年以上前だから……2040年ごろくらいまでかなあ。昔はね、キャッシュポイントの代わりに紙幣っていう紙や、硬貨っていう小さい金属で買い物してたの」
「それってすごくない? 誰が触ったかわからない…

もくじ (3章)

修正履歴
  • 第1章 1 現金がなくなって失われたのは 第1章 1 現金がなくなって失われたのは

    第1章 1 現金がなくなって失われたのは

    2021年7月24日

  • 第2章 2 脅迫状? 第2章 2 脅迫状?

    第2章 2 脅迫状?

    2021年7月24日

  • 第3章 3 公園にて 第3章 3 公園にて

    第3章 3 公園にて

    2021年7月24日

作品情報

現金がなくなった時代。
現金を知らない息子がふいにもらした「現金って実は面白いかも」の一言に母は考える。
確かに現金がなくなったことで映画のような駆け引きは減った。映画でしか現金を知らない息子にとって現金は興味深いのあろう。
そんな息子に現金だからこそのドラマを味わってもらいたい。
そう考えた母はある企みを実行することにしたのだった。

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