われら秘密結社タノ・シーナ
第1章 1 演歌の花道
「こういうことを君に言うのもアレなんだけどね。もう、美人さんの演歌歌手ってだけで持て囃される時代じゃないんだろうな」
これは苦言を呈されているのか、それとも褒められているのか。私はひとまず「エヘヘ」という表情をしてみせた。
「笑いごとじゃないんだよ!」
社長が語気を強める。
「ひい! や、やっぱりそうですよね」
「ひばりが腐らず努力してきたことは俺が誰よりよく知っている。ドサ回りも何周したか分からない。よく分からんパーティーやセミナーにも参加させてしまった。それでこれってことは、もう正直に言って手詰まりなんだよ」
社長の言う「これ」とは、私たちの手元にあるCDの売り上げや動画の再生回数などをグラフで示した…
もくじ (7章)
修正履歴作品情報
『ゾンビランド・サガ』みたいな世界に憧れて書きました。
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