トリセツ
第1章 ①疑問
コバルトブルーの青い空に、モクモクと輪郭のはっきりした白い雲があちこちに浮かんでいる。
手を伸ばせば届くのではないかと思うくらい近さを感じる空。
太陽の光を浴びると真っ白く元気に浮かぶ雲は、太陽がひょっこりかくれんぼをすると寂しがってグレーに色を変える。
ジージリジリジリ
アブラゼミが夏だと叫ぶ。
「4時間目はスケッチブックに空の絵を描きます。色鉛筆、クレヨン、絵の具などを使って自由に描いてください。この絵は明日の地域開放日に学校に来てくれた地域の皆さんに見せたいと思います」
「「「はーい」」」
口々に返事をした子どもたちは我先にとベストボジションを探しに散らばっていった。
雲をつかもうと目一杯背伸び…
もくじ (3章)
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