2071年の流行語大賞は「タッチレス」に決定致しました
第1章 第一章 大阪のお婆ちゃん現る
「もうすぐ今年も終わっちゃうね。」
高校生の美琴(みこと)はローテーブルに並んだ苺のグラスの中身を飲み干し、コトンと置いて呟いた。同じく並んでカーペットに座るクラスメイトの遥加(はるか)はテーブルに頬杖をついて二人の目線の先にあるテレビ画面を眠たそうに眺めていた。
「眠いの?」
美琴が声をかけると
「…うん、眠い。…めっちゃ暇や。」
と遥加は瞼の重力に負けてそのまま目を閉じた。
美琴はベッドの上のブランケットを遥加の背中に掛け、そのままテレビの画面をぼうっと見ていたが確かに暇だ。
冬休み、年末、師走だからとバタバタとしてるのは大人だけで彼氏も居ない美琴や遥加は時間を持て余している。特にこんな冷たい雨の日は…
もくじ (10章)
修正履歴作品情報
幼い頃からちょっぴり不思議な力を持つ高校生の美琴。
2071年の暮れ、一緒にいた友達遥加の中身が2021年からやってきた大阪のお婆ちゃんに?
マイペースで人情に厚いコテコテの関西弁・加代さんと2071年版女子高生・美琴の二人が織りなすコミカルで真剣な近未来SFストーリー。
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