ありえない
第1章
我々の種族は地面に穴を掘り、そこに暮らしている。
生きる方法は狩猟……と言えば、幾分格好が付きそうだが、実際は死骸を集めるだけのこと。
時折、木の実を収穫することもあるが、基本的には落ちている死骸を拾うだけだ。
我々は非力だ。
死骸も自分だけじゃ運べない。
だから仲間たちを呼び、一丸となって運んでいくんだ。
運んだ死骸は穴の中に入れ、みんなで分け合う。
我々は大勢で住んでいる。
助け合って生きているのだ。
雨の日は大変だ。
穴に雨が入ってきてしまうので、どうすることもできない。
そんな日は待つだけだ。
地面に染みて消え去ることを黙って見ているしかない。
そんなある日、今日は雲一つない青空の日だったにも関わらず、穴の中…
もくじ (1章)
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