Cogito, ergo sum  我想う、故に我あり

SF・ファンタジー

更新日:2021年8月17日

Cogito, ergo sum  我想う、故に我あり

第1章 一

 いつの頃からだろう。やつは常にそこにいた。

 やつは輪郭の定かでない大きな黒い影。俺の背後にぴったりと張り付き、音もなくうごめいている。俺はただ、その存在を感じるだけであって、それ以上のことは何も知らない。もちろんその姿を見たことは一度もない。

 幼かった俺はやつが恐ろしくてたまらなかった。
 何度も振り返ってはその正体を見定めようとしたり、何度も駆けだしてはその影を振り払おうとしたこともあった。

 ある程度成長し「死」という概念を言語として考えられるようになったころに、やっと自分を悩ませていたその正体は「死」なのだと理解した。

 俺は別に病気でもなければ、死にかけたこともなかったし、誰かが死ぬ瞬間を目の当たり…

もくじ (4章)

  • 第1章 一 第1章 一

    第1章 一

    2021年8月17日

  • 第2章 ニ 第2章 ニ

    第2章 ニ

    2021年8月17日

  • 第3章 三 第3章 三

    第3章 三

    2021年8月17日

  • 第4章 四 第4章 四

    第4章 四

    2021年8月17日

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